全国の消費生活センターには、不用品回収業者による迷惑電話に関する相談が多く寄せられています。

 

「無料だと思ったら多額の費用を請求された」「高価な貴金属は安値で買い取られた」このようなトラブルに巻き込まれないよう、不用品回収業者の迷惑電話には十分注意しましょう。

本記事では、不用品回収業者による迷惑電話の実態と悪質な不用品回収業者の撃退方法を詳しく紹介します。

不用品回収の迷惑電話にご用心

「不用品を無料で回収します。価値の高いものがあれば高額で買取させていただきます」

不用品回収業者からこのような電話がかかってきたら要注意です。

電話をかけてきた不用品回収業者は、悪質業者の可能性があります。

 

優良な不用品回収業者は何の前触れもなくいきなり電話をかけて不用品回収の営業を行うことはほぼありません。

もちろん優良な業者の中にも過去の利用者を対象としてキャンペーンの案内をしてくるところもあるかもしれませんが、関係ない人にいきなり電話を掛けてくるようなことはありません。

 

不用品回収業者による迷惑電話のトラブルは、年々頻発しています。

突然の迷惑電話には十分気をつけましょう。

不用品回収業者の迷惑電話の目的

不用品回収業者が突然電話営業をかけてくる目的はなんでしょうか。

彼らは不用品を無料で回収すると言って自宅を訪問し、ブランド品やアクセサリーなどの高価な品物を不当に安い値段で買い取っていこうと企んでいます。

 

ときには無料と言って回収した不用品に対して、法外な追加費用を請求してくることもあります。

不用品回収業者の迷惑電話の目的は、電話によって自宅を訪問し押しかけ営業で不当な利益を得ようとすることです。

私たち消費者はそんな悪質な不用品回収業者の巧妙な罠にかからないように注意を払わなければなりません。

不用品回収の迷惑電話のからくり

自宅に電話がかかってきたら、ついついまともな対応をしてしまいますね。

開口一番「○○さんのお宅ですか？」と言われたら「知り合いかな？」と勘違いしてしまうこともあるでしょう。

不用品回収業者はいったいどうやって自宅の電話番号を割り出し、名前まで調べるんでしょうか。

 

答えは簡単。

地域の市外局番の下4桁の番号に片っ端から電話して、電話に出た人に営業をかけているだけです。

自宅に電話がかかってくると多くの人は「○○です」と自分の名前を言ってしまいますね。

 

不用品回収業者は即座に名前を聞き分け「○○さんですね？」とオウム返しに返しているだけ。

なにもあなたの自宅宛てに、狙って電話をかけているわけではありません。

不用品回収の迷惑電話のトラブル事例

不用品回収の迷惑電話に関するトラブルが多発しています。

代表的なトラブル事例をいくつか紹介しておきましょう。

不用品の回収を依頼したら貴金属はないかとしつこく居座られた

不用品をリサイクルするという業者と電話で訪問の約束をし、いざ回収に訪れるとアクセサリーや時計など高価な貴金属はないかとしつこく居座られたと言う事例です。

悪質な不用品回収業者は電話口では、家具や服など不用品の回収を提案してきます。

 

提案された品物の回収を依頼するために自宅に招いたら、「こんなものは回収できない、ほかにアクセサリーや時計などの貴金属はないか？」と捨てる予定のないものを回収していこうとします。

「そんなものはない」と伝えても「わざわざ家まできてやったんだから貴金属を回収するまでは帰れない」としつこく居座りました。

いっこうに帰る気配がなく困り果てて、高価品物を仕方なく買い取らせました。

着物の買取を依頼したはずなのにブランド品を回収された

使わなくなった着物を買い取ってくれるということで、回収を依頼したら関係ないブランド品の回収をさせられてしまった事例です。

使わなくなった着物の引き取りをお願いしたところ「査定結果の連絡待ちだ」と言って、着物を引き渡した後も数時間帰らず自宅に居座りました。

 

その間に「ほかに不要なものはないか？」と自宅を物色し、くつやバックなどブランド品を強引に買い取っていきました。

買取価格も不当に低い値段で、大切な品物を安値で買い取られてしまいました。

しつこい押し買い営業をうけた

不用なものはないと断っても、しつこく押し買い営業を受けた事例です。

押し買いとは、本人が売る意思がないにも関わらず「不用品を買い取る」「いらない貴金属はないか」など強引に物品を買い取っていく手口のことです。

 

自宅にかかってきた不用品回収の迷惑電話に「不用なものはない」と断っても何度も食い下がって連日電話が鳴りやまず、困りはててしまいました。

悪質な不用品回収業者の特徴

不用品回収の電話を突然掛けてくる業者はほとんどが悪質な不用品回収業者ですが、一部優良な業者がいないともかぎりません。

迷惑電話は断るのが一番ですが、ちょっと試してみたいと思った時は電話口の業者が悪質な業者か優良な業者かを判断しなければなりません。

悪質な業者か優良な業者かを見極めるために、悪質業者の特徴を紹介していきます。

やたらと無料を強調してくる

悪質な不用品回収業者は、営業電話でやたらと無料を強調してきます。

「無料で回収します」「全部こみこみで無料で行えます」など。

基本的に不用品の回収は無料で行うことはできません。

 

不用品の処分はかかりますし、回収の人件費やトラックの運搬費も必要です。

悪質な不用品回収業者は無料をえさに自宅を訪れ、高価な品物を強引に回収したり、不用品の回収後に法外な追加費用を請求したりします。

営業電話の際に、やたらと無料を調整してくる業者は悪質な不用品業者だと思って間違いないでしょう。

会社名・住所・連絡先が不明

悪質な不用品業者は会社名、住所、連絡先を伏せていることがほとんどです。

優良な不用品回収業者は事業所を構え、固定電話を用意していつでも対応できるようにしています。

 

そもそも不用品の回収は自治体の許可が必要で、事業所を構え届け出をしなければ営業活動ができません。

悪質な不用品回収業者は、事業所をもっておらず会社名や固定電話もありません。

トラックと携帯ひとつで地域を巡回し、カモにできる消費者を探しています。

不用品回収の営業電話がかかってきた時は、会社名と事業所の住所、固定電話の番号を確認しましょう。

 

また事業所を構えている会社であれば、Googlemapで実際に存在する業者なのかを調べ流ことも可能です。

このほか、各自治体のホームページには不用品回収の許可業者の一覧表が公開されています。

会社名と住所が聞き出せたら、自治体から許可を取っている業者なのかチェックすることも可能です。

見積もりを提出しない

悪質な不用品回収業者は「全部無料です」「費用は1万円ぽっきりです」などと費用を口頭でしか伝えず、見積もり提出しようとしません。

不用品の回収が終わった後に「積込代は別途だ」とか「1万円とは言っていない」と主張できるよう紙の証拠を残しません。

 

不用品とはいえ物品を購入した業者は、書面による契約書を消費者に交付する義務があります。

見積書の提出をお願いしても「無料で大丈夫ですから」などと適当な理由をつけて提出を拒む業者は、悪質な不用品回収業者と考えて間違いないでしょう。

不用品回収業者の迷惑電話の撃退法

不用品回収業者の営業電話に困り果てている人もいることでしょう。

しつこい迷惑電話の撃退法をご紹介します。

きっぱりと断る

しつこい迷惑電話には、きっぱり断るのがもっとも効果的です。

営業電話などを利用して消費者の自宅を訪問する「訪問営業」には、消費者を守るためのルールや制度が法律で決められています。

消費者が買取の意志はないと断っているにも関わらず、しつこく勧誘することは「特商法」で禁止されています。

 

一度断ったにも関わらず何度も電話をかけてくる業者には「特商法に違反してますよ」と伝えると、以降は迷惑電話をかけてくることはないでしょう。

不明な番号は掛け直さない

悪質な不用品回収業者は、市外局番の下４桁にむけて片っ端から営業電話をかけています。

普段の生活で不明な番号から自宅に電話がかかってくることがなければ、無理に電話を取らなくてもいいでしょう。

着信があるからといって掛け直す必要もなく、無視しておけばOKです。

 

留守番電話機能があれば、どうしても用事がある人はメッセージを残しておくでしょう。

悪質業者対策のために、不明な番号の電話は出なくてもよいでしょう。

しつこい迷惑電話は警察に通報する

不用品回収の迷惑電話は時にしつこく何度もかかってくることがあります。

「不用品はないと断って」も「○○はあるんじゃないか」「〇〇ぐらいおいているだろう」と大声で恫喝されることもあります。

押しに弱い消費者だと思われると、悪質業者の間で出回っているブラックリストに乗ってしまい、入れ替わり立ち代わり別々の業者から迷惑電話がかかってくることもあります。

 

あまりにもしつこい迷惑電話には「今度かけてきたら警察に通報しますよ」とはっきりと伝えましょう。

不用品回収業者の迷惑電話によるトラブルは自治体でも問題視されています。

 

不用品回収業者に迷惑電話に困っていますと警察に通報すれば、すぐに相談に乗ってくれるはずです。

しつこい迷惑電話に悩まされている方は、1人で悩まないで近くの交番や警察署に相談してみましょう。

トラブルに巻き込まれた時の対処法

どんなに注意していても、不用品回収業者とのトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。

自身は大丈夫でも、家族や友人が不用品回収の被害に遭うこともあります。

 

不用品回収業者のトラブルに巻き込まれた時は、急いで消費生活センターに相談しましょう。

クーリングオフ制度を進め大切な品物や、不当な追加費用を取り戻しましょう。

「騙されたのは自分の考え方が甘かったからだ」と1人で抱え込まずに、近くの消費生活センターに相談しましょう。

まとめ

不用品回収業者による迷惑電話のトラブルについて紹介してきました。

全国の消費生活センターには、不用品回収業者による迷惑電話の相談が多く寄せられています。

 

無料という言葉につられ安易に不用品回収業者を自宅に招き入れてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。

悪質な不用品回収業者を見極め、毅然とした態度で迷惑電話を撃退しましょう。