「引越しで出る不用品の処分どうしよう。引っ越し業者に同時に頼めないのかな?」
引っ越し時に抱える悩みで最も多いのが、不用品の処分と言われています。
衣類や本など処分が容易なものならまだいいですが、家具や家電など1人では運び出すことが困難な不用品はどこかに処分をお願いするしかありません。
引っ越し時の不用品の回収を引っ越し業者に依頼するという手もありますが、実はその方法、大きな損をしているかもしれません。
今回は引っ越し時の不用品を賢く回収する方法と不用品回収時の注意点を紹介します。
不用品回収は引越し時に同時に頼めない?
不用品の回収を引っ越しと同時に、引っ越し業者に頼みたいと考える人も多いことでしょう。
しかし、以前と比べ引っ越しと同時に不用品を回収してくれる引っ越し業者は減少しています。
不用品回収を行ってくれる業者も存在しますが、回収できる不用品の種類に制限があるなど、必ずしも使い勝手がよいとは限りません。
引っ越し業者は、複数社から相見積もりを取ることで引っ越し費用を抑えることができます。
不用品の回収ができる業者に限定すると選択肢が一気に減り、お得な業者を探すことが難しくなってしまいます。
不用品の回収には自治体の許可が必要
不用品の回収には、各自治体から一般廃棄物収集運搬業の許可を得る必要があります。
不用品の一部を中古品として転売するには、古物商許可も必要です。
古物商許可は主たる営業所の管轄する公安員会の許可を得るだけで全国どこでも営業できますが、一般廃物収集運搬業は営業するすべての自治体からそれぞれ許可を得なくてはなりません。
一般廃棄物収集運搬業は各自治体から許可を得る手間が大きいため、最近では不用品の回収は行わない業者が多くなってきています。
不用品の回収は引越し業者に頼むと損をする
不用品の回収は何も考えずに引っ越し業者に依頼してしまうと、かえって損をする可能性があります。
引っ越し業者は引っ越しの荷物を運ぶのが得意な会社であって、不用品を処分することは本業ではありません。
不用品回収を専門とする業者に比べ、不用品処分の正しいノウハウを持っているとは限りません。
引っ越し時の不用品回収を引っ越し業者に依頼すれば手間が少なく楽ですが、業者を限定されたり、回収費用が高くつく可能性があるなどかえって損をする可能性があるので注意が必要です。
不用品回収を依頼できる引っ越し業者
大手引っ越し業者の不用品回収の対応状況を紹介します。
不用品の回収 | 不用品の買取 | |
アップル引越センター | 可能 | 可能 |
クロネコヤマト | 不可 | 不可 |
サカイ引越センター | 一部地域のみ可能 | 一部地域のみ可能 |
アート引越センター | 家電4品目のみ可能 | 不可 |
ハート引越センター | 可能 | 可能 |
アリさんマークの引越社 | 可能 | 不可 |
アーク引越センター | 家電4品目のみ可能 | 不可 |
大手引っ越し業者7者のうち、不用品の回収・買取の両方に対応しているのはわずか2社のみです。
不用品の回収のみであれば対応可能な業者は6社まで増えますが、対応地域が一部のみであったり、回収できる品物が家電リサイクル法に定められた家電4品目のみと限定的です。
不用品の回収、買取をすべて引っ越し業者にお願いしたいと考えた場合、引っ越し業者の選択肢が限定されてしまうことが分かりますね。
引越し時の不用品回収の方法
引っ越しの不用品回収を依頼できるのは、なにも引っ越し業者だけではありません。
引っ越しの不用品を回収できる方法を紹介します。
自治体の不用品回収に依頼する
自治体の不用品回収を利用するのがもっともコストを抑えられる回収方法です。
有料のごみ処理券を購入して、自治体が定める指定の場所・指定の日に置いておけばOK。
回収費用を安く抑えられるのが最大のメリットですが、不用品を指定場所に自分で持って行かなければならないのがデメリットです。
扇風機や電子レンジといった小型の家電ならよいですが、ベッドやソファー、冷蔵庫や洗濯機といった大型の家具・家電は指定場所に持っていくことは不可能でしょう。
また、処分品が少数ならよいですが、大量の不用品を処分したい場合、指定場所まで持っていくのは現実的ではありません。
処分できる日も自由に選択することができず、引っ越し日までに時間がないと利用できないこともあります。
自分で運び出せる程度の不用品しかない人は、費用が抑えられる自治体の不用品回収を利用するのがおすすめです。
リサイクルショップに買取依頼する
中古品として利用できそうな家具・家電がある人は、リサイクルショップに買取依頼をするのもおすすめです。
出張買取を行ってくれるリサイクルショップであれば、不用品をお店まで持っていく手間もいりません。
冷蔵庫や洗濯機などの大型の家電も自宅にいながら処分できるため便利です。
ただし、リサイクルショップで回収してくれる不用品はまだ使えるものが対象となるため、壊れている家具や古すぎる家電などは対象外となるため注意が必要です。
必ずしもすべての不用品を回収できないという点が、リサイクルショップのデメリットです。
不用品回収業者に依頼する
不用品の数が多く、中古品として利用できないものも多いという人は不用品回収業者に依頼しましょう。
不用品回収業者であれば、医療系廃棄物や建設系廃棄物といった一部の例外を除き、すべての不用品を回収してくれます。
お店へ不用品を持ち込む必要もなく、自宅まで引き取りに来てくれます。
ソファーや冷蔵庫などの大型の家具・家電はもちろん、着なくなった服や引っ越し時にでる混合ゴミなどありとあらゆるごみを回収してくれます。
引っ越し時に大量の不用品が出そうという人は、一度にすべての不用品を回収してくれる不用品回収業者の利用をおすすめします。
引越し時の不用品を不用品回収者に依頼するメリット
引っ越し時の不用品を不用品回収業者に依頼するメリットを紹介します。
不用品の種類に関係なくなんでも処分できる
不用品回収業者を利用すると、不用品の種類に関係なくなんでも処分できることがメリットの一つです。
自治体に不用品回収を依頼する場合、粗大ごみや資源ごみなど不用品の分別は必要不可欠です。
捨てられる不用品の日にちも別々で指定されていて、一度にすべての不用品を処分することができません。
不用品回収業者であれば、以下のような対象外のものでなければ基本的に何でも引き取ってくれます。
- ワシントン条約対象の動物のはく製
- けん銃
- 銃刀法違反の品
- スプレーなどの危険物
- 医療系廃棄物
不用品の種類に関係なくなんでも処分できることが不用品解消業者に依頼する大きなメリットです。
買取サービスを利用すると処分費が安くなる
不用品回収業者の中には、古物商の許可を取得して買取サービスを同時に行ってくれるところもあります。
このような業者に不用品の回収を依頼すると、不用品の一部を有料で買取してくれ、買取り額を処分費にあてることで回収費用を抑えることが可能です。
不用品の買取サービスはリサイクルショップに依頼することも可能ですが、不用品回収業者に同時に依頼できると手配の手間が省けます。
不用品の中にまだ使えそうなものがある方は、買取サービスを行ってくれる不用品回収業者を選ぶとよいでしょう。
積み放題プランを利用すればコストを抑えられる
積み放題プランとは、一律料金でトラックの荷台に不用品を好きなだけ積み込めるサービスのことです。
積み放題プランを利用すれば、引っ越し時の不用品の回収費用をグッと安く抑えることが可能です。
処分費用が安い自治体の不用品回収であっても、処分する点数が増えると有料のゴミ処理券が多くなり金額が膨らんでしまいます。
積み放題プランなら、あらかじめ決められた金額で不用品をまとめて処分ができます。
引っ越しの準備で新たに不用品が増えてしまっても、トラックの荷台に乗る範囲であれば途中で金額が増える心配もいりません。
引っ越しで大量の不用品が発生する人は積み放題プランを上手に利用すれば、費用を抑えることができます。
引っ越し時の不用品を賢く処分するポイント
引っ越しに不用品を賢く処分するポイントを紹介します。
繁忙期を避け早めに処分する
不用品の回収は、引っ越しシーズンとなる3月に繁忙期を迎えます。
不用品回収業者も引っ越し業者と同じように、回収費用が高くなってしまう可能性があります。
引っ越しが決まったら、繁忙期に入る前に早めに不用品を処分することをおすすめします。
複数業者から相見積もりをとる
不用品回収業者を選ぶ際は、複数業者から相見積もりをとると費用が抑えられます。
1社からしか見積もりを取らないと、回収費用の相場も分かりません。
相見積もりを取るのは手間なようですが、少しでも費用を抑えて不用品を回収したいという人は、複数業者から見積もりを取るようにしましょう。
自治体の不用品回収も活用する
自治体の不用品回収も活用すれば、不用品を賢く処分できます。
不用品回収業者のサービスは、積み放題プランだけでなく家具・家電1点のみから利用できます。
引っ越しで出る不用品の数が多くないのであれば、自分で運べるものは自治体の不用品回収に依頼しましょう。
ソファーやベッドなど持ち運びができないものだけ不用品回収業者に依頼すれば、回収費用を抑えることが可能です。
車がある方なら、地域のごみ処理場に不用品を持っていくことでさらに費用を抑えることもできます。
自治体の不用品回収を上手に活用すれば、引っ越し時の不用品回収の費用がグッと抑えられます。
引っ越し時の不用品回収を依頼するときの注意点
引越し時の不用品回収を依頼する時の注意点をひとつ紹介します。
それは、悪質な不用品回収業者に依頼しないように注意することです。
不用品回収業者の中には、不当な回収金額を請求してくる悪質な業者が存在します。
このような業者につかまってしまうと、高額な金額を請求されるだけでなく、捨てる予定でなかった品物まで安価で買いたたかれて回収されてしまうこともあります。
悪質な不用品回収業者の特徴は以下の通りです。
- 会社名・住所が不明
- 一般廃棄物収集運搬業の許可を得ていない
- 見積もりを提出しない
- やたらと無料を強調してくる
悪質な不用品回収業者につかまらないよう業者選びには十分注意しましょう。
まとめ
引越しの時の不用品回収について紹介しました。
引越しで出る不用品を引っ越し業者に同時に頼めればいいですが、多くの業者では不用品の回収サービスを行っていません。
引っ越しで大量の不用品がでる人は、自宅にいながらすべての不用品が処分できる不用品回収業者の利用がおすすめです。
不用品回収業者には一部悪質な業者も存在します。
業者選びを慎重に行いながら、賢く不用品を処分しましょう。