「不用品回収のチラシに無料でできるって書いてあるけど、あれってほんと?」
「チラシの業者に依頼したら、トラブルにならないか心配」
年末や引っ越しシーズンになると、自宅ポストに不用品回収のチラシが投函されることも増えます。
「不用品を無料で回収します」と書かれたものもあり、ほんとに無料で回収してくるんだろうかと疑問に思う人もいるでしょう。
実際に無料で回収してくれる業者も存在しますが、中には「タダだと思って依頼したら高額な費用を請求された」という悪質な業者による被害に遭うこともあります。
本記事では、無料チラシを配っている業者に不用品の回収を依頼していいのかを詳しく紹介していきます。
優良な業者と悪質な業者を見極めて、思わぬトラブルに巻き込まれないようにしましょう。
不用品回収業者の無料チラシは怪しい?
不用品回収業者の無料チラシはすべてが怪しいというわけではありませんが、比率的には怪しいものが多いというのが実情です。
優良な不用品回収業者の中には、期間限定で「回収無料キャンペーン」による広告を効果を狙っている企業もあります。
不用品を回収してリサイクルする業者の中には、無料で回収してもしっかりと利益が出せる仕組みを確立しているところもあります。
しかし、残念ながら無料チラシを配布している多くの不用品回収業者は、悪質な業者であると言わざるを得ません。
自分の身を守るために、無料チラシを受け取っても優良な不用品回収業者と判断できるまでは、利用しない方がよいでしょう。
不用品を無料で回収できる業者の紹介
不用品回収業者の中には、実際に無料で不用品を回収できるところも存在します。
「無料チラシは怪しい」と紹介しましたが、一部の業者は問題なく無料で回収していってくれます。
不用品を無料で回収できる業者の特徴を紹介します。
転売・リサイクル業者
不用品は回収された後、すべて廃棄処分されるわけではありません。
中古品として転売したり、解体して部品だけを換金することも可能です。
家電などに使われている金属は、粉々に分解して新しい製品のためにリサイクルすることも可能です。
このような転売・リサイクルをメインの業務にしている業者は、不用品を無料で回収することができます。
不用品の中から再利用できるものを整備して中古品として販売し、パソコンやスマホのパーツを専門の業者に引き取ってもらうことで利益を上げます。
転売・リサイクル業者は、換金できないものは引き取ってくれないこともあるため、無料で回収はしてくれますが、不用品となったものをすべて回収してくれるとは限りません。
回収品は限定されますが、換金できそうなものであれば無料で引き取りが可能です。
海外輸出業者
不用品を海外に輸出販売することで利益を上げる不用品回収業者も存在します。
国内では状態が悪く中古品としても販売できないような品物であっても、東南アジアやアフリカなどでは日本製というだけで、現地の新品商品よりも高い値段が付く場合もあります。
特に自転車やバイクは日本製の需要が高く、無料で回収しても十分に利益が確保できます。
回収した不用品を適切に販売する海外への販売ルートがある業者であれば、無料が可能です。
海外輸出業者も、転売・リサイクル業者と同様に、換金が難しい品物に関しては引き取りができない場合もあります。
無料チラシを配布する不用品回収業者のトラブル事例
無料チラシを配布する不用品回収業者に関するトラブルが後を絶ちません。
ここでは、実際に起きたトラブル事例をいくつか紹介していきます。
最終的に費用を請求された
チラシに「無料で回収します」と記載があったため、不用品の回収を依頼したら最終的に多額の費用の請求を受けたという事例です。
事前の説明では不用品の回収は無料ということでしたが、実際に作業を終えると「回収は無料ですが、車両への積込代や運搬費用が別途必要です」と言われました。
当初聞いていた話と違うと反論すると「それなら不用品はすべて返却します。ただし、作業はしているのでキャンセル料をいただきます」と言われ、泣く泣く費用を支払いました。
無料チラシを配布する悪質な業者は、当初は無料と言っていても、実際に作業を終えると追加費用を請求するところが多いです。
不用品を不法投棄された
不用品を無料回収してもらったものの、リサイクルや転売などで換金できないものを河川や山林に不法投棄されてしまった事例です。
不法投棄自体は、投棄した不用品回収業者が罰則を受ける行為です。
依頼主には不法投棄されても関係ないと思うかもしれませんが、実はそうでもありません。
回収品の中には自転車など、もとの持ち主を特定できる品物が含まれている場合もあります。
個人情報が流出してしまう可能性があったり、場合によってはもとの持ち主に不法投棄の疑いがかけられる可能性もあります。
回収された不用品がどう処分されていようが関係ないとたかをくくっていると、思わぬトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
必要なものまで強引に回収された
不用品の回収を依頼したら、捨てる予定でなかったものまで強引に回収された事例です。
悪質な不用品回収業者は、ブランド品やアクセサリーなど金目の物を回収して換金したいと考えています。
依頼を受けていない品物であっても「既に価値がない」「持っているだけで損をする」などと嘘の情報を伝え、強引に回収しようとします。
不用品回収のために悪質な業者を自宅に招き入れてしまうと、いらぬ詮索をされ必要なものまで無料で回収されてしまうので注意が必要です。
怪しい不用品回収業者の特徴
悪質な業者に不用品の回収を依頼すると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。
とはいえ、優良な業者の中にも期間限定キャンペーンなどを実施することで「無料」を宣伝するところもあります。
無料チラシを配布している不用品回収業者が優良な業者かどうかを見極めるために、悪質な業者の特徴を紹介していきます。
会社名・住所が不明
悪質な不用品回収業者は、会社名・住所・連絡先などを隠している場合が多いです。
悪質な業者は特定の事務所を構えることなく、トラック一台で営業しています。
住所や連絡先がわからなければ、契約後のクーリングオフの通知を送ることができません。
巡回トラックや名刺に書かれた携帯番号に電話しても、新規の依頼電話でないとわかれば着信を拒否することもあります。
優良な不用品回収業者であれば会社名・住所を隠す必要はないため、巡回トラックや名刺などで暗に会社名などを隠している業者は悪質な不用品回収業者と考えてよいでしょう。
料金体系がわかりづらい
料金体系が分かりづらい業者も、悪質な不用品回収業者の可能性が高いです。
優良な不用品回収業者は、不用品の回収に必要な料金の設定が明確に定められています。
ホームページや投函されたチラシにも、「1m3=5,000円」など分かりやすく金額が提示されています。
いっぽう、悪質な不用品回収業者には、そもそも料金設定などというものが存在しません。
はじめのうちは無料や割安な金額だけを提示して、作業後に高額な追加費用を請求してきます。
不用品回収の料金体系がわかりづらい業者は、悪質な不用品回収業者である可能性が高いので注意しましょう。
見積もりを提出しない
見積もりの提出を拒む業者は、悪質な不用品回収業者である可能性が高いです。
「全て無料で回収します」「1万円ぽっきりで大丈夫です」など口頭だけで金額を伝え、作業が完了した後に「別途、積み込み費用がかかります」などと追加請求してきます。
このような業者は「無料でできると言っていた」と反論しても「追加料金については事前にきちんと説明した」と主張してきます。
事前に紙による見積もりを受け取っていないため、言ったと言い張る業者の主張を拒むことができません。
見積もりを提出しない業者は、作業後に何かと理由をつけて追加費用を請求する可能性が高いため注意が必要です。
優良な不用品回収業者の見極め方
悪質な業者の特徴を紹介してきました。
最後に、不用品の回収を依頼する際に優良な不用品回収業者の見極め方を紹介します。
必要な許可を取っているか確認する
不用品回収業を営むには、自治体から一般廃棄物収集運搬業の許可を受ける必要があります。
悪質な不用品回収業者は無許可で営業していることがほとんどです。
依頼しようとする業者が必要な許可を得ているか確認するだけでも、悪質業者を選択肢から排除することができます。
企業のホームページを見れば、許可を取得しているか確認することができます。
各自治体では許可業者の一覧表を公開しているため、一覧表に記載のある業者の中から選択すれば間違いないでしょう。
事前に見積もりをもらう
事前の見積もり提出を依頼しましょう。
優良な不用品回収業者は、料金体系が明確なため不用品の量を伝えれば正確な見積もりを提出してくれます。
追加費用やオプション料金などがある場合は、見積書に記載してもらいましょう。
悪質な不用品回収業者は、なにかと理由をつけて見積もりの提出を拒んできます。
見積もりを提出しない業者には依頼しないという方法をとるだけで、悪質な業者を排除することができます。
作業実績の豊富な業者を選ぶ
作業実績の豊富な業者を選ぶようにしましょう。
優良な不用品回収業者は、自社のホームページで過去の実績を写真や費用とあわせて公開しています。
実際の作業写真やかかった費用が事前に見れれば、自身で必要な費用を検討することもできます。
また事務所を構えている業者であれば、GoogleMapに利用者のリアルな口コミを見ることもできます。
作業実績や口コミを見て、実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
無料チラシを配布する不用品回収業者について紹介しました。
不用品を回収すること自体は、回収品を転売したり、リサイクルすることで無料にすることも可能です。
しかし、一部には「無料」の言葉で消費者を集め、回収作業後に多額の追加費用を請求してくる悪質な不用品回収業者も存在します。
優良な業者と悪質な業者を見極め、不用品回収によるトラブルに巻き込まれないように注意しましょう。