この8月は、北海道でも連日30℃前後まで気温が上がり、例年より「夏らしい」暑さになっています。とはいえ、本州のじっとりとした夏と違い、強めの日差しではあっても、さわやかなのは、やはり緑が多いせいかも。身丈のある木々が鬱蒼と生い茂る富良野の森は、自然の日傘と草木の香りでひんやり気持ちいいんです。そんな森の中を歩きながらショッピングが楽しめるのが、新富良野プリンスホテル(富良野市中御料)に隣接する「ニングルテラス」。このニングルとは、倉本聰さんの著書「ニングル」に登場する、北海道の森に住む小さな「森の知恵者」のこと。このショッピングロードには、ログハウスタイプの店舗が15棟あり、倉本さんが主宰する富良野塾のOBが中心となって運営するショップがあります。卒塾して富良野を離れても、また帰ってくる人が多いのです。「富良野塾で2年間頑張って、卒業して東京に戻るでしょ。そうしたら富良野に帰りたくなるんですね。東京で暮らせないって言い出すんですよ。そういうのが必ずいますね。だから今OBが40人こっちにいるんです。戻ってきてるんです。在住が40人、その子どもがもう20人近くに。
ログハウスタイプのショップが点在する「ニングルテラス」。アイヌ語で“ニン”は縮む、“グル”は人の意味。コーヒーショップなどもあるので、森の中でひと休みして。
それで自分たちで劇団をつくってやってるヤツもいますよ。中島みゆきの歌じゃないけど、『自分の下駄を脱ぐ場所がある場所』っていう表現をみゆきはしてる。そういうものなんでしょうね」と倉本さん。富良野という地の魅力と、倉本さんとの絆がそうさせているのでしょうね。
「ニングルテラス」の富良野塾のショップは3軒。ニングルの楽士たちを枯れ木を使用して作った人形が勢ぞろいする「富良野塾の店・森の楽団」、ご存じ「北の国から」と「優しい時間」ゆかりのグッズを扱う「森のドラマ館」、繊細な銀細工のアクセサリーが人気の「富良野銀細工 雪の結晶」です。 なかでも「森の楽団」は、富良野塾生(現在は23期生)が作るクラフト人形がさまざまな表情でちっちゃな楽器を奏でています。その指導にあたりながら、今やそのクラフト作品が人気となり、全国に固定客もいるという高木誠さんは富良野塾11期生。今はオーダーもののみを作成しているそう。「最初は、お世話になっている農家さんや近所の子どもたちへのクリスマスプレゼントに作っていたんです。僕がまだ塾生の頃に作ったクラフト人形を倉本先生にプレゼントして、書斎に飾ってもらったことがあって。そうしたら、先生に『オーケストラの楽団を人前で作れ』と言われたんです。入塾2年目でこの店が立ち上がってしまったんですよね。富良野には2年間だけと思っていたのが、それからずっとですからもう13年いますね。芝居をしたくて富良野にやってきたのに、この仕事が本業になってしまいました(笑)。元々こういった細かい仕事が好きだったのもありますが、人形づくりも感性を磨く一つの方法ですから。手作りの感動を伝える仕事として誇りを持ってやらせていただいております」。すべて手作りなのはもとより、彫刻刀などで小さな枯れ木を削りながら作り上げられる作品は見事! 毎年富良野を訪れて一つずつ買い、楽団員を増やしていく人が多いとのこと。とにかくかわいくて、同じ者はいないのが特徴です。熟生それぞれの作風も違うので、一つひとつこのショップで眺めて欲しい楽士を見つけてみて。 「森のドラマ館」を訪れると、「北の国から」で田中邦衛さん演じる五郎さんグッズが! 人気商品は「五郎のニットキャップ」や「ウサギ印の帽子」(各1,890円)。被ると結構かわいいんですよね! ほかにも倉本さんの生原稿ハガキや、ブドウのツルを使った“ぶどう和紙”の「五郎さんの遺言状」(682円)などの商品もお手頃です。隣の「雪の結晶」は、ドラマ「優しい時間」で話題となった「雪の結晶のペンダント」など一つひとつ違う純銀製品がいっぱい。銀細工を手がける高野千晶さんによる手作りシルバー体験講座もあります。「森のドラマ館」スタッフの大胡さんは埼玉出身。富良野旅行が印象に残り、住みついてしまったとか。また、「雪の結晶」の小林さんも富良野に魅了され、千葉からこの地にやってきた女性です。二人とも、富良野にはほかにはない魅力があると言います。ニングルテラスを歩き、
ショップスタッフの小林さん(左)と大胡さん
木の切り株のイスに腰かけて見上げる木の葉の美しいこと! まだまだ力強い色を発するこの森へ出かけて、富良野にしかないオリジナル商品に出合ってみてはいかが。
(上下)富良野塾11期生の高木誠さん。「倉本先生には、芝居もそうですが、クラフト職人としての人生のきっかけも作っていただきました。毎日が楽しいですよ」
富良野塾生が作る楽士たち。枯れ木と枯れ草だけで作られています
「森のドラマ館」では、「北の国から」や「優しい時間」のグッズが手に入ります
雪の結晶のチャーム。一つひとつ形が違うので、じっくり選ぶのも楽しいですよ。
9期生の梅原卓さん
水色の澄んだ空が広がる富良野自然塾フィールド。ここで働く富良野塾OBを直撃! スコップを手に土と奮闘する梅原卓(たかし)さんは9期生。「僕は昨年の5月から富良野自然塾で働き始めたんですよ。僕は東京出身でして、卒塾して東京へ戻って舞台裏の仕事などをしていたんですが、7年前に富良野塾の舞台があって、その舞台裏なども手伝いました。ですから富良野には6年ぶりの復活です(笑)。富良野塾での2年間、みんな同じ根っこの水を共有してきたわけですから、なんだか木を越えた絆があるような気がするんです。やっと富良野に戻って来ました! 今度は僕にとっての、本当のフィールドを作れるかなと思っています。自然塾では、僕はインストラクターなんですが、アクションが大きいのもあって“地球の道の子ども向けガイド”なんて呼ばれています(笑)。皆さん、ぜひ遊びに来てください!」。水を得た魚のように、元気いっぱいで作業をする梅原さんは、富良野に戻ってきて本当によかったと語ります。“地球の道”を歩きながら、梅原さんの気さくなトークに耳を傾けるのも楽しいかも!
2005年、富良野プリンスホテルゴルフコースの一部閉鎖に伴い、そこを昔の森に還す事業とともに、環境教育事業を展開。森で種を採取して育苗し、それを植樹する自然返還プログラム、フィールド内の施設で人間が本来持っている「五感」を蘇らせるさまざまなワークショップを行うなどの環境教育プログラムを用意。
【施設例】 裸足の道、石の地球、地球の道、闇の教室(準備中)ほか
問い合わせ・お申し込み 富良野市北の峰町17-51 TEL.0167-22-4019 FAX.0167-22-5385 富良野自然塾 http://furano-shizenjuku.yosanet.com/
2000年10月、富良野発文化の 発信拠点としてオープン。 収容人数300名。 富良野市中御料 TEL.0167-39-0333
富良野演劇工場 http://www.furano.ne.jp/engeki/
北海道特集に関するご意見・ご感想を口コミ掲示板にお寄せください。